自己否定が止まらない

はじめに・・・「生きづらさ」は誰にでもある

生きづらさを手放す心理カウンセラーの松野正寿です。
僕はこれまで、アダルトチルドレン(AC)や生きづらさを抱える多くの方々の
カウンセリングを行ってきました。

講演活動や執筆を通じて、全国のクライアントさんと向き合う中で痛感しているのは、
「生きづらさ」は決して特別なものではないということです。

日本人ならではとも言える「周りの空気」を読みすぎて
家に戻るとドッと疲れてしまう。

相手の顔色や機嫌に振り回されて、
自分の感情がわからなくなる。

心の中では「もうキツイな・・・」と思っているのに、
嫌われたくないから、見捨てられたくないから、
どうしてもいい人を演じてしまう。

こうした感覚は、特別な人だけが抱えているのではなく、
多かれ少なかれ、現代を生きる多くの人が心の奥で感じているものです。

昔の僕自身もそうでした。幼い頃の家庭環境、学校での人間関係、
社会に出てからの“役割”の中で、そのポジションを失いたくないからこそ、
「自分が我慢すれば丸く収まる」と思い込み、

知らず知らずのうちに自分を押し殺して生きてきました。

だからこそ、昨今の生きづらさを通じて
声を大にして伝えたいのです。

「生きづらさ」は“甘え”ではありません。

自分を責めるのではなく、自分を癒すことを最優先してほしいということ。
まずは「なぜそう感じるのか」を一緒に見つめ直すこと。
そこから、人生は必ず変わります。

自分を責めてしまう「心癖」に気づいていくこと

生きづらさを抱えている人の多くに共通するのが、
必要以上に“自分を責めてしまう心癖”があることです。

例えば、ちょっとしたことで人を怒らせてしまったと感じたとき、
「自分のせいだ」と必要以上に自分を責めてしまう。

あるいは、誰かに頼れなかった自分を「ダメだな」と責めてしまう。

この“責め癖”は、多くの場合。幼少期まで遡ります。
僕たちは過去の傷つきやトラウマから思い込みが作られていきます。

例えば、親の顔色をうかがいながら育った、褒められるよりも
叱られることの方が多かった。無意識の中で条件付きの愛こそが
愛なのだと思い込んでしまい、

「何かあれば自分が悪い」という思考回路が作られていくのです。

大人になってからも、職場や家庭で同じパターンを繰り返してしまう。
「何をやってもうまくいかない」と感じるときほど、
自分を責める声が大きくなり、更に心が苦しくなる。

この苦しみが投影して、家族や恋人に求めてしまうことも
日常の中で気づかない内に増えていきます。

だからこそ大切なのは、まずこの“心癖”に気づくことです。
外側を変えようとするよりも、内側の感じ方・捉え方を変えていく
変えていくというか、自分を責めることをやめてあげることです。

「また自分を責めているな」と気づいていくと、、
少しずつ、心の重りを下ろせるようになっていきます。

自分を責めない心癖が身に付いていくと、相手のことも責めなくなります。
つまり、物事や人に対してジャッジを繰り返すことがなくなるのです。

「ありのままの自分」にOKを出す

自分を責める心癖に気づきはじめたら
次に必要なのは、「ありのままの自分」に
いつもOKを出してあげることです。

ありのままの自分って何だろう?と思われるかもしれませんが、
これはどんなことをしてもいいということではなく、

どんな感情をもっても良いということです。
1つ1つの感情に、良い・悪いとジャッジを入れないことです。

もちろん、最初は過去の影響から怖いかもしれません。

「こんなことを思う自分を受け入れたらダメになるんじゃないか」
「周りに嫌われるんじゃないか」そんな不安が頭をよぎります。
でも大丈夫です。

心は、不安定なままでもいいし、完璧じゃなくていい。
「頑張れない日」があっていい。人と比べなくていい。
何かを得るために“いい人”でいる必要はないのです。

僕がカウンセリングや講演で一番お伝えしているのは、
「自己否定を止めていい気分になる」ことの大切さです。

誰かに理解してもらえない苦しみは、
自分で自分を理解してあげることで癒すことができます。

「もう頑張れない自分」を抱きしめる。

「人に頼りたい自分」を許す。

「怖くて前に進めない自分」もいていい。

その積み重ねが、自分を守る力になります。

自分から自己否定を繰り返している方は、
どの場面においても、

常に「自分はダメだな」と思ってしまいがち・・・
僕も複雑性PTSDからアダルトチルドレンになって
ずっと苦しんできた一人なので、

こういう方のお気持ちが
よく分かります。

たとえ、身近な人が気を使って
心温まる様な優しい言葉をくれても

根本にある自分の心が
自己否定を続けているので

どうしてもね、少し歪んだ
受け取り方をしてしまいます。

例えば、「本当はそう思ってないでしょ?」
「ただのお世辞でしょ?」と捉えてしまって
そんな自分すらも嫌になるんです。

 
周りからは気難しいなと思われてしまうし
自分もそう思ってしまいがち。

例えば、昔の僕はこんな感じで思ってました。

⇒こんな自分が好かれるはずがないとか、
⇒僕なんていなくてもいい存在だからなどなど

もちろん、生きづらさの種は人それぞれ
あくまで僕という人間の場合です。

僕もそうでしたが自己否定が強い人って、
自分なりに努力はしているんです。

メンタル本を読んだり、グーグルで調べたり
YOUTUBEで動画を見たりなどなど・・・

自分は自分だよねと懸命に肯定することも
何度も頑張っているんですね。

でも、それでも出来ないからこそ
内側から自信も沸いてきません。

自分の内側に目がいかない分
相手の原動や行動ばかりが気になり、
信じることもできないから苦しいんです。

相手からもらったたくさんの思いやりが
自己否定で打ち消されてしまうんです。

こうなる状態ってですね。
自分の味方が誰もいないような
虚無感まで出てきてしまいます。

ここから自分で調べていくと
よく分かると思うのですが、

言葉ばかりが先に出てきている
神メンタルを作りましょうとか、

あなたのメンタルが弱いだけだから
強くすればいいという話になります。

あ~やっぱりそうなのかな~って
更に、自己否定を重ねていくので
メンタルを強くする方法に頼ります。

人によってはコーチングをしてもらおうと
行動を起こす方もいます。

もちろん、それが悪い訳ではありません。

ただ、メンタルは別の所でも
何度もお伝えしてますが
常に揺れ動くものです。

またメンタルトレーニングをしたからといって
自己否定を止めることには繋がりにくいんです。

たぶん、生きづらさで悩んでいる方は
僕が伝えている意味が分かるはずです。

自己否定に繋げてしまう心の奥にある
生きづらさの種を見つけないと

どれだけ手段に走っても
全て一時的な回避なんです。

これまで色んな方と触れ合ってきました。

僕の所に相談してこられる方の多くが
過去にメンタルトレーニングにチャレンジしてます。

例えば、自分の長所を見つけましょうとか
強くなる為の習慣を作りましょうなどなど
色んな方法があります。

でもですね、根本の原因を知って
自分の奥に隠れている種をみつけないと、

その手段に取り組んでいる間に
色んな角度から自己否定が出るので
自分を受け入れることができないんです。

なのでプラスに切り替えることが
凄く難しく感じて思考停止になるんです。

どうなるかというと・・・
結局やってはみたけど自分に強みや
長所なんてなかったなという事実だけに
目を向けようとします。

※もちろん、良い所はあるんですよ?
でも、そこに意識が向かないんですね。

なぜ、意識が向かないのか?
それこそが人それぞれにある
生きづらさの種をみつけていないからです。

この種は常日頃の身体中を駆け巡る
考え方・日常の動き・目に映る感情・
語りかける言葉たちを

自己否定に繋げて自己嫌悪になります。

うまく言葉にできない生きづらさを
引き起こしている幼少期に植え付けられた
愛着障害がほとんどなんです。

いつも自己否定からはじまってしまうのも、
根元に自己嫌悪があるからなんですね。

メンタルを強くしようと決意する前に、
自己嫌悪を生み出しているもののは
一体なんなのか?

まずは生きづらさの種を
見つけていくことが大切です。

もう社会人なのですから親の価値観に
振り回されなくていいんですよ^^

自己肯定感を上げなきゃと思うこともなく
それができない私はダメだと思うこともありません。

あなたはあなたでいいんだよ?
自分から自分に語り掛けてあげること
こういうセルフケアが出来ることが大切です。

大切なのは自己否定の種を見つけてからの、
自分自身への対話です。

これは自己対話とも呼ばれます。
この自己対話は、自己否定を生んでいる種を理解し、
それに対処するための重要なプロセスとなります。

自己否定の種が何であるかを理解し、
その原因となっている思考パターンや
感情を見つけることが重要です。

そして、それに対して自分自身から
どう対処すべきか、どう対話すべきかを考えてみるのです。

ここで大切なのは、自己否定の種を見つけるために
自分自身を責めないことです。

むしろ、それがあることを認め、
自分自身の成長のための手がかりとして
捉えるのが良いでしょう。

その上で、自分自身との対話を始めることで、
自己否定の種を見つけ出し、

それを扱う方法を見つけることができます。

この対話をする際、心の中の声をすべて
受け入れることが大切です。

たとえそれが自己否定の声であっても、

それを無視するのではなく、
その声に耳を傾けることで、
その声が何を伝えようとしているのか、
何がその根底にあるのかを理解することができます。

そして、その声に対して自分自身から
優しく対話をしてみるのです。

「あなたは何を怖がっているの?」
「何があなたを苦しめているの?」
「何を望んでいるの?」といったように、

自分自身に質問を投げかけ、
その答えを聞くことで、

自己否定の種を理解し、
それに対処する手がかりを見つけることができます。

この自己対話は、自己否定を生み出す
心の中の声を変えるための効果的なツールでもあります。

その声に対して優しく、そして理解のある対話を
地道に続けることで、その声は少しずつ変わり始め、
自己否定から自己肯定へと変化していくでしょう。

まとめ 今日からできる小さな一歩

「生きづらさ」は一朝一夕に消えるものではありません。
でも、小さな一歩を積み重ねることで、必ず“生きやすさ”に変わります。

・疲れたら無理せず休む
・「できない自分」を許す
・人に頼ることを許可する
・全ての感情にイエスを入れる。

どれか一つでも構いません。「どうせ無理」と思ったら、
そう思ってしまう自分すらも許してあげてください。

そのほとんどは過去の傷つきとトラウマから生まれた
もう一人の自分。つまりエゴが言っているだけです。

どんなあなたであっても、今のあなたが置き去りにしないこと
1番のソウルメイトは、自分しかいません。

あなたの生きづらさが、あなたの人生を止める理由にはなりません。
他人の評価はあくまで感想です。そのままであなたでいるだけで、
もう十分に存在価値があり、とても尊いのです。

これまでと、これからを愛せるのは「今のあなた」しかいません。