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いじめられる側にも原因がある?いじめの責任と逃げていい理由

生きづらさを、生きやすさに。

「いじめられる側にも原因がある」。そんな言葉を聞くと、傷ついた人ほど「自分が悪かったのかな?」と考えてしまうかもしれません。相手を怒らせたことがある、言い返したことがある、周りとうまくなじめなかった。そうした出来事があったとしても、誰かを傷つけ、追い詰める行為が正当化されるわけではありません。

生きづらさを手放す心理カウンセラー・松野正寿です。僕自身、中学2年生の頃にいじめを受け、学校へ行けなくなった時期がありました。この記事では、当時の僕の経験もお話ししながら、「自分にも原因があったのでは」と責めている人へ、今いちばん大切にしてほしいことを伝えます。

最初に伝えたいこと

  • いじめられた人が、いじめの責任を背負う必要はありません。
  • 自分の言動を振り返ることと、いじめを受け入れることは別です。
  • その場所から離れることは、弱さではなく自分を守る選択です。
  • 子どもが困っているときは、本人の努力だけに任せず、大人が安全を確保する必要があります。

「いじめられる側にも原因がある」と言われたら

人間関係には、すれ違いや衝突が起こることがあります。ある人の言葉が別の人を傷つけることもあれば、お互いの振る舞いを見直した方がよい場合もあるでしょう。しかし、だからといって、無視を続けたり、集団で悪口を言ったり、暴力を振るったりしてよいことにはなりません。

学校でのいじめについて、いじめ防止対策推進法は、一定の関係にある児童生徒から心理的・物理的な影響を受け、本人が心身の苦痛を感じる行為をいじめと定めています。インターネット上の行為も含まれます。大切なのは、周囲が「ふざけていただけ」と片づけず、苦しさに目を向けることです。

文部科学省「いじめ防止対策推進法」

自分を振り返ることと、責任を押しつけられることは違う

「あのときの自分の言い方はよくなかった」と後から気づくことはあります。僕にも、そういう経験があります。でも、それは自分の言動について学ぶ機会であって、いじめを受けて当然だったという意味ではありません。

今まさにいじめの中にいる人に、最初から「自分にも悪いところがなかったか考えよう」と求めるのは違うと思います。先に必要なのは、安全な場所と、安心して話せる相手です。

僕が中学2年生の頃、学校へ行けなくなった話

自分を責めず安心できる場所を見つけてほしいと伝える心理カウンセラー松野正寿の水彩イラスト
いじめを受けた経験と、自分の言動を振り返ることは別。いじめを受けてよい理由にはなりません。

僕は中学2年生の頃、周りを力で抑えつけようとしていた時期がありました。今振り返れば、自分の振る舞いを改めるべきところがあったと思います。その後、僕自身もひどいいじめを受け、中学2年の終わり、春休みに入る前の約3週間、学校へ行けなくなりました。

当時は自分の気持ちをうまく整理できませんでした。怒りも、怖さも、悔しさもありました。何より、その場所に戻ることがつらかったのです。

ただ、ここは誤解してほしくありません。僕が過去の自分を振り返っていることと、僕が受けたいじめを正当化することは、まったく別の話です。たとえ僕に直すべき振る舞いがあったとしても、いじめてよい理由にはなりません。

友人が学校の公衆電話からかけてくれた言葉

そんなとき、大切な友人が学校の公衆電話から僕の家へ電話をくれました。「俺は味方だから」という気持ちが伝わる言葉でした。自分の力を誇示するのではなく、一緒に遊ぼう、学校へ来てほしいと声をかけてくれたのです。

あの言葉は、今でも僕の中に残っています。自分を否定する言葉ばかり聞いているとき、たった一人でも味方がいると感じられることが、どれほど大きな支えになるのか。僕はそのとき、身をもって知りました。

その後、僕は自分の言動も振り返り、関わる人や過ごし方を見直していきました。でも、これは僕個人の経緯です。誰もが同じように学校へ戻るべきだ、という話ではありません。

いじめを受けているとき、逃げてもいい

「逃げたら負け」「学校に行かないと将来が心配」。そんな言葉が頭をよぎるかもしれません。でも、安心できない場所に無理に居続けることだけが正解ではありません。

学校を休む、保健室や別室で過ごす、信頼できる先生に相談する、保護者と学校の外の窓口を探す。状況によって選択肢は違いますが、自分を守るために距離を取ることを、恥ずかしいと思わなくていいのです。

暴力や脅迫、深刻な嫌がらせがあるときは、証拠を集めることよりもまず安全を優先してください。メッセージや出来事の記録は、危険を増やさずにできる範囲で大人と一緒に残すと、学校や相談機関に状況を伝えやすくなります。

大人になっても、あの頃の記憶が苦しい人へ

いじめは卒業すれば全部終わる、というものでもありません。大人になってからも、人の視線が怖くなったり、仲間外れにされるのではと身構えたり、誰かの機嫌を必要以上に気にしてしまうことがあります。

そうした反応を「自分が弱いから」と決めつける必要はありません。今の人間関係と、過去に傷ついた経験が重なっていないか、少しずつ整理していくことができます。誰にも相談できない悩みでつらいときへも、よければ読んでみてください。

ここで少しだけ自分の気持ちに目を向けてみませんか?

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子どもがいじめに苦しんでいるとき、親や大人にできること

子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、すぐに理由を問い詰めたり、無理に登校を約束させたりする前に、安心して話せる時間を作ってほしいと思います。話せない日があっても、責めなくていいのです。

「あなたが悪いからじゃない」「一緒に考えるよ」「今日は安全に過ごそう」。そんな言葉を伝えながら、学校の担任だけでなく、学年主任、スクールカウンセラー、教育委員会など複数の窓口に相談する方法があります。

相談した日時、本人が話したこと、学校側の対応を整理しておくと、次の相談につながりやすくなります。子どもが望まない形で加害側と直接話し合わせるなど、安全を損なう対応は避ける必要があります。

今、相談できる公的な窓口

いじめや子どものSOSについては、文部科学省が案内する24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310を、子ども本人や保護者などが利用できます。文部科学省の案内やこども家庭庁の相談窓口一覧も確認してください。

生命や身体に差し迫った危険がある場合は、相談の順番を待たず、安全な場所へ移り、必要に応じて警察などの緊急支援を利用してください。

最後に|変わるべきなのは、傷ついた人だけではありません

僕は昔、いじめを受けた経験から、自分の生き方を見直すことの大切さを学びました。でも、だからといって「いじめられる人が変わるしかない」とは、今は伝えたくありません。

いじめをやめる責任は、いじめる行為をする側にあります。そして、見て見ぬふりをしない周囲の人、子どもを守る大人、学校や社会にも、それぞれの役割があります。

今、苦しんでいるあなたが最初に変えなくてはいけないのは、自分の性格ではありません。まずは、安心して過ごせる場所を一つ増やすこと。誰かに「つらい」と伝えること。それだけでも大切な一歩です。

大人になってからも人間関係の怖さや自分責めが続いている方は、松野正寿の公式LINE・相談案内をご覧ください。声で考え方を受け取りたい方には、Voicyもあります。お子さんの現在進行形のいじめについては、まず学校・公的窓口で安全確保を優先してください。

生きづらさを手放す心理カウンセラー・松野正寿

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