KOKORO NO MIRAI
親や兄弟からの電話が怖いあなたへ|着信だけで緊張する心を楽にする方法
生きづらさを、生きやすさに。

生きづらさを手放す心理カウンセラー
松野です。いつも感謝です!
親や兄弟から電話が来ると、画面に名前が出ただけで胸がぎゅっとする。まだ何も言われていないのに、急に肩がこわばり、せっかく穏やかに過ごしていた一日が落ち着かなくなる。そんなことはありませんか?
「家族からの電話なのに、どうしてこんなに怖いんだろう」と、自分を責めてしまう方もいるでしょう。でも、電話に出る前から緊張することには、その人なりの理由があると僕は考えています。今日は、家族を無理に好きになる話ではありません。あなたが今の暮らしの中で、少しでも安心を取り戻すための話です。
家族からの着信だけで心が苦しくなるのはなぜ
かつての言葉や雰囲気を体が覚えていることがある
たとえば子どもの頃、親から呼ばれるたびに叱られていた。兄弟に何かを言い返すと、からかわれたり責められたりした。そんな時間が長かった方は、大人になって家を離れても、家族の名前や声をきっかけに身構えることがあります。
スマホの着信音は、ただの音です。それなのに緊張するのは、音の向こうに「また責められるかもしれない」「何かを頼まれて断れないかもしれない」という予測が重なっているからかもしれません。これは一つの考えられる背景であり、着信への緊張だけで特定の病気や過去の傷があると断定はできません。
厚生労働省も、ストレスのサインとして不安や緊張、睡眠や体調の変化などを挙げています。「気にしすぎ」と片づける前に、体が何を伝えているのかを知ることが大切です。
連絡の前から相手の機嫌を考えてしまう
電話に出る前から「今、何て言えば怒らせずに済むだろう」「断ったら薄情だと思われるかな」と考えてしまう。そうすると、たとえ短い用件でも、電話一本が大きな仕事のように感じられます。
親や兄弟に気を遣う生活が当たり前だった人ほど、相手の気分を自分が何とかしなければと思いやすいものです。でも、相手の機嫌と、あなたが穏やかに暮らす権利は別のもの。相手を不機嫌にしないことまで、あなた一人の責任にしなくていいのです。
電話が鳴ったその瞬間にできる小さな対処

まず今いる場所と自分の呼吸を確かめる
着信に気づいた瞬間、考えを整理しようとしても難しいことがあります。そんなときは、まず両足を床につけて椅子の感触を確かめてみましょう。そして、無理のない範囲でゆっくり息を吸い、ゆっくり吐きます。呼吸を整える方法は英国のNHSでもストレスや不安へのセルフケアとして紹介されています。
目の前の机の色、カーテンから差す光、足元の温度を一つずつ確かめるのも方法です。いわば、心が過去の怖かった場面へ引っぱられたときに、今いる安全な場所へ意識を戻す練習です。呼吸に集中すると余計につらい方は、周囲の物を静かに眺めるだけでもかまいません。
すぐ出るかどうかを自分で決めていい
ここで僕が伝えたいのは、着信があったことと、今すぐ応じなければならないことは同じではないということです。緊急の病気や事故など、急ぎの対応が必要な場合は別ですが、いつもの用件であれば、落ち着いてから確認する選択もあります。
たとえば、親から三度続けて着信があったら「何かあったのか」と不安になるでしょう。その場合は、電話に出る前に「急ぎなら用件をメッセージで送ってね」と返す方法もあります。自分の安心を守りつつ、本当に急ぐ知らせかどうかを確かめるための工夫です。
反対に、家族からの威圧や暴力が続いている場合、単に着信に慣れる練習を無理に重ねる必要はありません。身の危険があるときは安全な場所への移動や適切な相談を優先してください。
家族との連絡に自分なりの境界線を引く
電話から文字の連絡へ切り替える言葉
人にはそれぞれ、安心して話せる時間と、話す余裕のない時間があります。家族であっても、あなたの生活すべてにいつでも入ってよいわけではありません。まずは「電話かメッセージか」「何時頃なら対応できるか」を選ぶところから始めてみませんか?
たとえば「今は電話に出られないので、用件をLINEで送ってね」「今日は疲れているから、明日こちらから連絡するね」「急ぎの用事でなければ週末に確認するね」。こうした短い言葉で十分です。長い説明を加えるほど、相手を納得させなければという気持ちが強まることもあります。
優しく伝えることと、何でも引き受けることは違います。返信の形を変えることで楽になる方もいれば、文章での連絡でも強い圧力を感じる方もいます。その場合は、通知をまとめる、確認する曜日を決める、信頼できる第三者を介するなど、自分が消耗しにくい距離を選んでください。
罪悪感が出てきたときの見つめ方
返信を遅らせるだけで「親不孝かな」「兄弟なのに冷たいかな」と胸が痛むことがあるでしょう。でも、その罪悪感が出てきたからといって、あなたの選択が間違っているとは限りません。長い間、家族を優先してきた人にとって、自分を先に考えることは慣れない行動なのです。
ここで少しだけ自分の気持ちに目を向けてみませんか?
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医療上の診断ではなく、自分を理解するためのセルフチェックです。
僕は、家族との距離感を考えるとき、あなたが何を感じてきたのかを大切にしたいと思っています。「返したくない」だけではなく、「返すとまた自分を失いそうで怖い」という気持ちが隠れている場合もあります。その気持ちを無視して正しい家族の形へ戻そうとしなくていいのです。
相手の機嫌に振り回されることについては、相手の機嫌に左右されるときの心の境界線も参考にしてみてください。兄弟との関係で傷ついた経験がある方には、兄弟や家族からのいじめで残った心の傷についての記事もあります。
電話を切ったあとも緊張が続くとき

電話が終わったのに、言われた一言を何度も思い返す。「あの言い方はまずかったかな」「次は何を言われるだろう」と気になり、家事も仕事も手につかなくなる。そんなときは、まず連絡が終わったという事実を自分に知らせてあげてください。
「今、電話は終わった」「私はこの部屋にいる」「このあと何をするかは私が選べる」。声に出しても、心の中で言ってもかまいません。それから温かい飲み物を飲む、窓を開ける、少し歩くなど、電話の前にしていた日常へゆっくり戻る行動を一つ選びます。
紙に書くなら、「実際に言われたこと」と「これから起こるかもしれないと想像したこと」を分ける方法があります。たとえば事実は「日曜日に来られるか聞かれた」、想像は「断れば嫌われる」。この二つを分けるだけでも、次の返事を決める材料が見えやすくなります。書くことで苦しさが増すなら、無理に振り返る必要はありません。
距離を置くことは家族を嫌うことではない

家族だから仲良くしなければならない。電話くらい出なければならない。僕たちは、そんな「〜すべき」を知らないうちに抱えてしまうことがあります。けれど、家族への思いと、自分の生活を守ることは、必ずしも対立するものではありません。
今は電話を減らしたい。でも、いつか穏やかに話せるならうれしい。反対に、今後も距離を保ちたい。どちらの気持ちも、今のあなたが感じている大切な本音です。今日、家族との関係について一生分の結論を出す必要はありません。
着信を見て緊張したら、まず自分の体を落ち着ける。次に用件の緊急性を確かめる。そして、返事の方法と時間を選ぶ。この小さな順番を積み重ねることは、家族から逃げるためというより、自分の人生へ少しずつ戻ってくるための練習だと思うのです。
ひとりでは抱えきれないと感じたら
もし着信のたびに強い動悸がする、夜眠れない、仕事や生活に大きな影響が出るといった状態が続いているなら、ひとりで耐え続けないでください。心の相談ができる専門家や医療機関を頼ることも、自分を大切にする一つの方法です。厚生労働省もストレスの影響が長引くときの相談を勧めています。
僕自身、生きづらさと向き合う中で、「我慢できること」と「我慢し続けてよいこと」は違うと考えるようになりました。誰にも話しづらかった家族の悩みも、今すぐすべてを説明する必要はありません。「電話が鳴ると怖くなる」と、その一言から始めていいのです。
ココロノミライでは、アダルトチルドレンや家族関係の悩みを相談する入口もご案内しています。まずはページを読み、ご自身が安心できる方法を選んでください。お話を聴くところから、一緒に整理していけたらと思っています。
今日もどうか、スマホの向こうにいる誰かの気持ちより先に、今ここにいるあなた自身の気持ちに気づいてあげてくださいね。いつも感謝です!
声でゆっくり考えたい方は、松野正寿のVoicyにもお越しください。
参考にした情報
厚生労働省「ストレスのサイン」:不安や緊張など、ストレスによる心身の変化を確認するために参照しました。
厚生労働省「ストレスは早めの対処が大切」:つらさが長引く場合の相談について参照しました。
NHS「Breathing exercises for stress」:無理のない呼吸で落ち着く方法の参考にしました。
NHS inform「Grounding exercises」:五感を使い今いる場所を確かめる方法の参考にしました。






