
「親なら子供の幸せを喜ぶのが当たり前」
生きづらさを手放す心理カウンセラーの松野です。
親なら子供の幸せを願うもの・・・
そんな価値観を持つ人にとって、
「子供の幸せが許せない」という感情を抱く
親の存在は理解しづらいものかもしれません。
でも実際には一人の人間だからこそ、
親も過去の記憶と傷つきから
こうした感情を持つ親は少なくないのです。
そして「自分でもなぜこんな気持ちになるのかわからない」と
葛藤している親も多いんです。
親の自分がアダルトチルドレンだということに
気づけていないケースが本当に多いんですね。
今日はそんな“許せない気持ち”の正体と
その裏にある「癒されていない心の傷」について、
僕なりに掘り下げていきます。
子供の幸せが許せない。特に母親
母親という存在は子供にとって最も近く、
最も大きな影響を与える存在です。
それだけに、母親の「無意識の違和感」や
「言葉にしない嫉妬」は子供の心に深く突き刺さります。
たとえば・・・
・進学や就職を決めたとき素直に喜ばれない
・恋人を紹介したらすぐに機嫌が悪くなる
・自分の幸せを報告しても「ふーん」「でもさ…」と興味がなさそう
こうした親の反応に胸がチクッとした
経験はありませんか?
特に“娘”に対してこの感情が向けられる場合。
母親の中にある「自分も本当は幸せになりたかった」
という未練が、娘の姿に投影されていることが多いのです。
子供の幸せや結婚を喜べない母親
結婚や出産といったライフイベントは、
子供が親から自立していく象徴でもあります。
ですが、母親の中には「娘が誰かのものになる」
「自分の役割が終わる」と感じてしまい、
心にぽっかりと穴が空いたような喪失感を覚える人もいます。
それがそのまま「祝福できない」「喜べない」
という態度として現れることがあります。
加えて、母親自身がパートナーシップに
傷ついていたり、結婚生活に満足していなかった場合。
「なんであの子だけ幸せになるの?」という
理不尽な感情がわき上がってしまうこともあります。
これは未熟さではなく、幼少期や青年期にかけて
“未消化の感情”が浮かび上がってきているサインです。
子供の幸せが許せない親の心理
どこかしら「自分が幸せじゃなかった」という
強い想いが生きづらさの種として心に残ったままなんです。
自分の人生に満足していない、あまり報われなかった・・・
そんな想いを抱えていると、自分の子供が笑顔でいることすら
“眩しすぎて”耐えられなくなるのです。
たとえるなら、日陰の中にずっといた人が、
急に日差しを浴びせられたようなもの。
ずっと眩しくて苦しくなるから思わず顔を背けてしまう。
そんな感覚に近いかもしれません。
この時、親は「自分でもなぜそんな感情になるのか」が
自分の中でもわからないことが多く混乱しています。
でも心のどこかで「私だけ取り残されているような」
孤独や不公平感があるのですが認めきれないのです。
親だからこそ、人生の先輩としても・・・
子供の幸せを奪う親
こうした感情が強くなっていくと時には
子供の幸せを邪魔してしまうという行動にまで
発展することもあります。
・せっかく決めた進路や転職を否定する
・大切な人との関係を壊すような言葉を投げる
・「あんたには無理よ」「やめときなさい」と夢を奪う
ただただ親として「心配して言っているだけ」と
感じているかもしれません。
でもその言葉の裏には、「私が叶えられなかったから、
あなたも叶えないで」というメッセージが隠れていることも。
これは無意識の連鎖です。
そして、アダルトチルドレンの視点で見れば、
それは“世代間の心の傷の継承”とも言えます。
子供の幸せより自分の幸せを取る母親
ここで注意したいのは、課題の分離の視点からも
同様のことが言えるのですが、「自分の幸せを選ぶこと自体」は
決して悪いことではないという点です。
むしろ、自分の人生をちゃんと楽しむ親の姿は、
子供にとってポジティブな影響を与えます。
問題は、子供の希望や人生を犠牲にしてまで、
親が自分の不安感や欠乏感を満たそうとする場合です。
たとえば・・・
・自分の孤独を埋めるために、子供の時間やお金を奪う
・子供の幸せを「寂しいからやめて」と否定する
・依存的な関係を崩さないようにコントロールする
このような関係性は愛情ではなく「共依存」に近い状態です。
そして、気づかないうちに子供は「親のために生きなきゃ」と、
少しずつ自分の人生をあきらめていきがちです。
子供の生きづらさにも大きな影響を与えてしまいます。
子供の成長を喜べない親
子供が成長し、自分の世界を広げていくことは、
本来とても喜ばしいことです。
ですが、それを“喜べない”親もたくさんいて
心のどこかで「自分が置いていかれる」ことに怯えています。
・子供が自立していくのが怖い
・「お母さんがいなくても大丈夫」になることが寂しい
・自分の価値や存在意義がなくなると感じる
こうした思いが子供の成長への喜びに
ブレーキをかけてしまいます。
でも本当は、「子供が離れても、自分の価値は失われない」と
知ることができたなら、親もまた一歩前に進めるのです。
娘が女になるのが許せない
娘が女性として成熟していく過程は母親にとって、
時にとても複雑な感情を引き起こします。
たとえば、娘がメイクを始めたり、
異性との関係を築いたりすることに、
過剰に干渉したり、否定的な態度を取る
母親がいます。まだ早いとか、学業を優先しなさいとか
大人になってからなどなど・・・
でも、自分が幼少期や青年期の時を
思い出してほしいのです。
「女性であることを抑圧されてきた」
母自身の痛みが浮かび上がる瞬間かもしれません。
「私の時代はそんな自由はなかった・・・」
「私が我慢してきたのに、なんであなたは自由にしていいの?」
そんな感情が、“娘への攻撃”として
投影していることが多いです。
娘に女性として嫉妬する母親の特徴
以下のような特徴が見られる母親は、
娘への嫉妬を抱えている可能性があります:
容姿やスタイルに対して、過剰に干渉する
恋愛や結婚、仕事の話題に冷たい対応をする
他人と比べて劣っているような言葉を投げる
自分の若い頃と比較して、
「あの頃の私はもっと○○だった」と語る
これらの言動は、娘に対して女性として
何かしら“競争心”を抱いてしまっている状態。
本来、母と娘は「仲間」であり「味方」になれるはずですが、
心が満たされていない母親にとっては、
“自分の輝き”を取り戻せなかった悔しさが、
嫉妬という形になって現れやすいです。
自分より幸せになってほしくない心理
この感情の奥には、とても切ない心理があります。
「あなたばかり幸せになるのはずるい」
「私だけが苦しむなんて不公平」
「同じ苦しみを味わわないと、あなたには分からないでしょ?」
これは、冷たい言葉の様で言葉の奥には
むしろ「わかってほしい」「認めてほしい」
という“叫び”に近いものがあります。
でもその叫びを、子供にぶつけることでしか表現できないとしたら
それは親自身が、愛された記憶が少なかったのかもしれません。
この心癖は、誰かを傷つけたいから生まれるのではなく、
「誰かに分かってもらいたい」という切なる願いから
生まれているのです。
お互いが一人の人間として
自分のの人生を生きていい
親や子供もどれだけ傷を抱えていても、
「その傷を引き受け続ける」必要はありません。
親の痛みは親のものであり、子供の痛みは子供の痛み
お互い自分の人生しか生きることができません。
あなたは「あなた自身の幸せ」を選んでいいのです。
たとえそれが、親を寂しがらせたり、
嫉妬させたりしたとしても、
「あなたが幸せになること」は
あなたの権利です。
親の影響を受けすぎて、
「幸せになってはいけない」
「親より上に立ってはいけない」
そんな思い込みを抱えてしまったとしたら
それは心の傷が、まだ癒されていないサインかもしれません。
ジャッジをする必要も、ラベリングする必要もありません。
どちらが上とか下とか二極化の世界ではないのです。
正しい・間違い。上か下か。勝ちか負けか。
そういう世界線だけで見ていくと自分の生き方が
制限されてしまい、自分が苦しくなっていきます。
心の傷を、誰にも知られずに癒したいあなたへ
「こんなこと思ってはいけない」
「親の悪口を言うみたいで罪悪感がある」
「子供に自分の本音を知られたくない」
そんな気持ち、よくわかります。
でも、心の中のザワザワをずっと抱えたまま生きるのは、
とても苦しいものです。
だからこそカウンセリングを利用してみてください。
僕のカウンセリングでは、誰にも言えなかった感情を、
安心して出してもらえる場を用意しています。
あなたが、あなた自身の幸せを取り戻すために。
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