「自己肯定感が低い」と感じる人ほど、どこかでずっと自分に言い聞かせてきたはずです。
「もっと前向きにならなきゃ」
「自信を持てるように変わらなきゃ」
「このままじゃダメだ」
でも僕のカウンセリングでは、ここをいったん止めます。
自己肯定感は、無理に高めなくていいと僕は考えています。
なぜなら、「上げなきゃ」と頑張るほど苦しくなるのは、今の自分を否定している状態だからです。
心の中で起きているのは、こんな構図です。
「自己肯定感が低い自分」=ダメ → 早く直せ → もっと頑張れ
この圧が強いほど、心は緊張し、日常の小さな失敗や他人の反応が刺さりやすくなります。
だから僕は、自己肯定感の“数値”を上げる前に、もっと手前の技術――欠点も含めた「ありのまま」の自分を許すことを扱います。
具体的には、自己肯定感を「上げる」ではなく、自己否定の習慣を「減らす」。
これだけで人生は驚くほど静かに、そして楽に変わり始めます。
今日この記事で一緒にやるのは、派手なポジティブ思考ではありません。
自分を責めるクセから自由になるための、現実的な手順です。
自己肯定感が低い人ほど「高めようとして」苦しくなる理由

自己肯定感が低い状態って、単に「自信がない」だけじゃないことが多いんです。
僕が見てきた感覚で言うと、裏側にはだいたい次のどれか(または複数)が隠れています。
- 評価でしか安心できない(褒められないと不安になる)
- 失敗=価値が下がるという前提がある
- 人に迷惑をかけたら終わりと思っている
- ちゃんとしないと愛されない感覚が残っている
この状態で「自己肯定感を上げよう」とすると、よくある落とし穴が起きます。
肯定でき

ない自分を、さらに否定してしまうんです。
たとえば、SNSで「自分を好きになろう」と見かける。
すると一瞬は「よし」と思えるのに、数分後にはこうなる。
「好きになれない…やっぱり自分は問題がある」
「肯定できない私はダメだ」
<

p>これ、本人の努力不足じゃありません。
やり方が「自分に圧をかける方向」になっているだけです。
僕が提案するのは「自己肯定感」より先に、自己受容(ゆるす技術)
僕はこう考えています。
自己肯定感は“結果”であって、目標にすると苦しい。
一方で自己受容は、今この瞬間から練習できます。
自己受容って、「自分が最高!」と思い込むことじゃありません。
もっと地味で、でも確実に効きます。
- 好きになれなくてもいい
- 自信がなくてもいい
- 傷つきやすくてもいい
- 怖がっている自分がいてもいい
この「いてもいい」を増やしていく。
すると、心の緊張が少しずつほどけて、結果として行動が自然に出てくる。
その後から、自己肯定感が“ついてくる”ことが多いんです。

僕のカウンセリングでは、まず何を大事にするか
僕のカウンセリングでは、最初に「変わる」より「戻る」を大事にします。
ここで言う「戻る」は、昔に戻るとか、諦めるという意味ではありません。
自分の感覚に戻るということです。
自己肯定感が低い人は、たいてい長いあいだ「外の基準」で生きてきました。
- ちゃんとできたか
- 迷惑をかけてないか
- 嫌われてないか
- 評価されているか
もちろん社会で生きる以上、外の基準は必要です。
でもそれだけになると、自分の内側は置き去りになります。
だから僕はまず、次の順番で整えていきます。
- 今の状態を否定しない(しんどいなら、しんどいでいい)
- 責める声を弱める(厳しい内なる声を観察する)
- 体の緊張をほどく(安心が戻ると、考え方も変わる)

日常生活の中でACの生きづらさを和らげるための具体的なセルフケア方法 i>
- 小さく選び直す(完璧な決断ではなく、今日の一歩)
この順番を飛ばして「前向きになろう」とすると、心はついてきません。
逆に、順番を守ると、変化は静かでも確実です。
実際に多いお悩みと、僕が見てきた解決の糸口<

無意識に繰り返してしまう「負の連鎖」を客観的に理解するための解説

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自己肯定感が低い方からよく聞くのは、こんな悩みです。
- 褒められても素直に受け取れない
- ミスすると頭の中で反省会が終わらない
- 人と比べて落ち込むのが止まらない
- 「頑張ってるのに満たされない」感覚がある
- 休むと罪悪感が出てくる
ここで、短いストーリーを一つ書きます(個人が特定されないよう一般化しています)。
以前、仕事ができるのに常に自分を責めてしまう方がいました。周りからは信頼されているのに、本人の頭の中では毎日こうでした。
「この程度で褒められても…」
「もっとできたはず」
「次は失敗するかもしれない」
話を聴いていくと、子どもの頃から「頑張って当たり前」「できて当然」という空気の中で育ち、安心する経験が少なかったそうです。
だから達成しても、心が休まらない。休まる前に、次の課題へ追い立てられてしまう。
僕が一緒にやったのは、自己肯定感を上げるトレーニングではなく、責め始めた瞬間に気づき、止める練習でした。
具体的には、ミスの後に「人格の否定」まで飛んでいくクセを、毎回“作業の修正”に戻す。
「自分はダメ」ではなく「手順を一つ直す」。
これを繰り返すうちに、本人の中で変化が起きました。
「責めなくても、改善はできるんですね」
僕はこの一言を聞いたとき、すごく大事なポイントに触れたと思いました。
人は、自分を責めなくても成長できるんです。
「ありのまま」を誤解しないために:許す=甘やかす、ではない
自己受容の話をすると、よくこう言われます。
「ありのままって、結局甘えになりませんか?」
僕はこう考えています。
甘やかしは“現実から逃げること”で、自己受容は“現実に戻ること”です。
たとえば仕事でミスをしたとき。
- 甘やかし:「まあいいや。気にしない」(本当は怖いのに見ない)
- 自己受容:「怖かったね。焦ってたね。じゃあ次の一手は何にする?」
自己受容は、感情を認めた上で、現実的な修正に戻ります。
だからむしろ、長い目で見て一番“ちゃんとしている”方法だったりします。
自己肯定感が低いときに効く「自分を許す」具体策(セルフワーク付き)
ワー

生きづらさの構造理解とカウンセリングを通じた解決へのアプローチ

ク1:責める声に名前をつける(内なる検査官の正体を見える化)
自己肯定感が低い人の頭の中には、かなり高確率で「厳しい声」がいます。
僕はこれを、あなたの“敵”だとは思っていません。むしろ、あなたを守るために働きすぎている「

検査官」みたいなものです。
手順はシンプルです。
- 自分を責めた言葉を、そのままメモする(例:「何やってるんだ」「だからダメなんだ」)
- その声に名前をつける(例:「完璧主義さん」「不安警報」)
- 言い方を“少しだけ”弱めた言葉に言い換える(例:「次は確認を一個増やそう」)
ポイントは、いきなり優しい言葉にしないことです。
急に「大丈夫だよ」って言われても、心が信じないことがある。だから、現実的で、攻撃性の低い言葉に変えるのがコツです。
ワーク2:「欠点→人間らしさ→対策」の3段階に並べ替える
自己肯定感が低いと、欠点が出た瞬間に「人格の否定」に直行します。
だから、思考の順番を並べ替えます。
紙にこう書いてください。
- 欠点(事実):例)また先延ばしした
- 人間らしさ(背景):例)疲れてた/怖かった/完璧にやりたかった
- 対策(次の一手):例)5分だけ着手/締切を人に宣言/最初の一行だけ書く
この3段階を通すと、「自分はダメ」が入り込む余地が減ります。
欠点は消さなくていい。扱い方を変えればいいんです。
ワーク3:「今日の自分を許す一文」を作る(短いほど強い)
夜におすすめです。1日を振り返って、最後に一文だけ書きます。
例:
- 「怖かったけど、やめなかった」
- 「今日はうまくできなかった。だから休む」
- 「人と比べた。比べた自分も責めない」
- 「自信はない。でも、やる」
大事なのは、“自己評価”ではなく“自己許可”になっていることです。
点数をつけると、また苦しくなります。
ワーク4:比較が止まらないときの「視点の避難」
自己肯定感が低いと、比較で心が削れやすいです。
比較は悪ではないけど、疲れているときの比較は毒になります。
そんなとき僕は、いったん視点を避難させます。
- 今見ているものを止める(SNSを閉じる、席を立つ)
- 体の感覚に戻る(足裏、呼吸、肩の力)
- 「今の比較は、僕を良くする?」と自問する
答えが「No」なら、その比較は“情報”ではなく“自傷”になっています。
まず避難していい。これも自己受容の一部です。
「自分を責める習慣」を減らすと、現実はどう変わるか
自己肯定感が低い人は、能力が低いわけじゃありません。むしろ真面目で、気がつきやすく、責任感が強いことが多いです。
ただ、その良さが「自責」という形で暴走してしまう。
自分を責める習慣が減ると、変化はこう出ます。
- ミスのあとに立て直しが早くなる
- 人の評価に振り回されにくくなる
- 休む罪悪感が薄れ、回復が早くなる
- 「やらなきゃ」より「やろう」が増える
派手な自己肯定感ではなく、静かな安定。
僕はそれが、いちばん強い土台だと思っています。
途中で折れそうなときに思い出してほしいこと
自己受容の練習をしていると、こういう日が来ます。
「わかった気がするのに、また責めてしまった」
「結局変われないのかな」
そのとき僕はこう考えています。
戻るのが早くなっているなら、それは前進です。
責めてしまう日があるのは、人間だから当たり前です。
大事なのは、責めたことをさらに責めないこと。
ここで二重に叩くと、また元のループに戻ります。
関連記事
「自分を責める」「ネガティブが止まらない」「生きづらさが抜けない」あたりは、自己肯定感の低さと地続きです。必要なところから読んでみてください。
- 【仕事の悩み】自分を責めるのをやめる。自責のループを断つ心の整え方
- 【ネガティブ思考】脳の防衛反応を切り替える。前向きになれる新習慣
- 【生きづらさ】性格のせいじゃない。才能を活かして心をほどくカウンセリング
ちなみに、仕事での自責が強い人は、上の自責のループを断つ記事がかなり直結します。
また、頭の中がネガティブで埋まるタイプの方は、脳の防衛反応を切り替える習慣から入ると取り組みやすいです。
自己肯定感の呪縛から自由になるために、今日できる最小の一歩
最後に、今日いちばん小さくていい一歩を書きます。
「自己肯定感を上げなきゃ」を、今日は一回だけやめてみる。
そして代わりに、こう言ってみてください。
「今の僕を否定しない。ここから整える」
自己肯定感が低いことは、あなたの欠陥ではありません。
それはたぶん、これまで生きるために身につけてきた“守り方”です。
守り方は、変えられます。
無理に自分を好きにならなくていい。
ただ、責める手をゆるめるだけで、人生は静かに変わり始めます。
よくある質問(FAQ)
最後に、カウンセリングの現場でもよく出る質問をまとめます。
よくある質問
自己肯定感が低いのは性格だから仕方ないですか?
僕は「性格」というより、これまでの環境や経験の中で身についた“自分の守り方”だと捉えています。守り方は習慣なので、責め方のクセを弱めたり、安心を増やしたりすることで少しずつ変えていけます。
自己肯定感を高める方法がたくさんあるのに、なぜ僕はうまくいかないのでしょうか?
うまくいかない理由は、努力不足ではなく順番の問題が多いです。「肯定できない自分」を肯定しようとして、逆に自己否定が強まることがあります。僕はまず自己受容(今の自分を否定しない)から入るのが安全で確実だと考えています。
ありのままを受け入れると成長できなくなりませんか?
自己受容は甘やかしではありません。感情や状態を認めた上で、現実的な修正に戻る力です。自分を責めなくても改善はできるので、むしろ長期的には成長が続きやすくなります。
褒められても素直に受け取れません。どうしたらいいですか?
「受け取れない自分」をまず責めないことが大前提です。その上で、いきなり喜べなくてもいいので「ありがとうございます」だけ言ってみる、メモに事実として残すなど、受け取り方を“小さく”作るのがおすすめです。感情が追いつくのは後からで大丈夫です。
人と比べて落ち込むのが止まりません。
比較は自然に起きますが、疲れているときの比較は自傷になりやすいです。僕はまず「視点の避難」(SNSを閉じる・体の感覚に戻る・その比較が自分を良くするか確認)を提案します。落ち込みを止めるより、ダメージを小さくするのが先です。
自己受容の練習をしても、また自分を責めてしまいます。失敗ですか?
失敗ではありません。責めてしまう日があるのは自然です。大事なのは「責めたことを、さらに責めない」こと。戻るのが早くなっているなら前進です。自分を責めるクセは長年の習慣なので、ほどけるにも時間がかかって当然だと僕は考えています。








