「相手の顔色が気になる」って、ほんと疲れますよね。
言葉より先に表情を読んでしまって、声のトーンや間合いの変化にビクッとして、「今のまずかった?」「嫌われた?」と頭の中が忙しくなる。家に帰ってから反省会が始まって、眠る直前まで心が休まらない。
僕はこう考えています。
相手の顔色を伺ってしまうのは、あなたが弱いからじゃない。
**それは「守る力」が強い証拠**なんです。
顔色を伺う癖は変えられます。無理やり鈍感になる必要もありません。敏感さを「自分を傷つける方向」ではなく、「自分を癒やす方向」に使い直していけばいい。なぜなら、その敏感さは、過去のどこかであなたを守るために必要だった“能力”だからです。
相手の顔色が気になるのは、心が「危険を予測する癖」を覚えたから

相手の顔色が気になる人は、だいたい「空気を読むのが得意」です。でも、その反面、心の中ではこんな仕組みが働きやすい。
- 相手の不機嫌=自分のせいかも、と結びつける
- 相手の表情=自分の価値の通知表、になってしまう
- 「安全」を確保するために、常に**情報収集(表情観察)をやめられない**

僕はこれを、心の中に「警備員」が常駐している状態だと捉えています。警備員は悪者じゃない。あなたを守りたいだけ。でも、警備対象が“外(相手)”に偏りすぎると、あなたの内側が置き去りになる。
最初にやることは、顔色を伺う自分を否定することじゃなくて、**「守る力」の使い方を切り替える**ことです。

顔色を伺う癖は「性格」ではなく「反応パターン」
「私の性格だから仕方ない」と思うと、改善の道が閉じます。
僕はこう考えています。顔色を伺う癖は、あなたの本質ではなく、**身についた「反応の癖」**です。癖なら、ほどけます。別の反応を選べるようになります。敏感さがある人は、変化の学習も早いことが多いです。
自分軸を取り戻すための「5つの具体策」
1) まず「顔色を伺ってる最中」を言語化する
顔色が気になっている時、人は意識が相手へ吸い込まれています。
心の中で**「今、伺ってる」「不安が出た」**とつぶやくだけで、反応に0.5秒の余白が生まれます。
2) 「相手の機嫌」と「自分の責任」を分ける練習
相手の不機嫌には、相手の事情(寝不足、体調、焦り)が混じっています。
・相手の感情は相手の持ち物
・僕の言動の責任は僕の持ち物
ここを分けると、過剰な自己攻撃をやめられます。
3) 「本音の温度計」を取り戻す
自分軸が弱っている時は、自分の本音が分からなくなっています。

本音の温度計ワーク
- 今日あった出来事を1つ書く
- その時の気持ちを0〜10で採点
- 身体感覚を1つ書く(胸が重い、肩が固い等)
- 最後に**「本当はどうしたかった?」を一行で書く
自分の感情を“測定可能”**にすると、相手の顔色より先に「自分の状態」が見えるようになります。
4) 断る前に「ワンクッション言葉」を用意する
顔色が気になる人は、反射でYESが出がちです。僕は、断る練習の前に**「保留の練習」**を勧めています。

- 「一度確認して、また返事します」
- 「今日中に返事でもいいですか?」
自分軸は、まず**「時間」と「間合い」**から戻ってきます。
5) 「相手の期待」ではなく「自分の基準」を1つ決める
最初は小さくていいです。
**「疲れている時は即答しない」「週に1回は予定を入れない日を作る」**など、自分だけの基準が1つあるだけで、心に柱が立ちます。
僕のカウンセリングでは、まず何を大事にするか
顔色を伺う癖って、本人は一番しんどいのに、周りからは「気が利く人」に見えやすい。だから限界が来るまで誰も止めてくれないことが多いんです。
僕は、次の3つを大事にします。
- 敏感さを欠点扱いしない(守る力として尊重する)
- 過去の適応をねぎらう(その癖が必要だった理由を見る)
- 今のあなたに合う境界線を作る(自分を守る技術を覚える)

目指すのは「誰の顔色も気にならない人」じゃありません。「気になっても戻ってこれる人」、そして**「自分の本音を後回しにしない人」**です。

実際に多いお悩みと、僕が見てきた解決の糸口

- 相手が無言になると「怒ってる?」と焦ってしまう
- 機嫌が悪そうな人がいるだけで、場の空気が支配される
- 「嫌われたくない」気持ちが強すぎて本音が言えない
松野の体験+解決事例
職場で上司の顔色が気になって消耗していた方がいました。僕はその方に、「その敏感さは、生き延びるための守る力だった」と伝えました。すると、「やっと責めなくていいんだと思えた」と涙を流されました。
そこから一緒にやったのは、強くなる練習ではなく、**小さな自分軸の回復でした。顔色をゼロにするより、“顔色→自己否定”のルートを切る。**これが解決の大きな糸口になります。
「相手の顔色が気になる」時に起きやすい3つの落とし穴
落とし穴1:優しさが自己犠牲にすり替わる
相手に合わせた結果、心が削れているなら、それは優しさではなく「置き去り」です。
落穴2:空気を読める人ほど、相手の感情を背負ってしまう
引き受けなくていい他人の感情まで抱えると、当然しんどくなります。
落とし穴3:「気にしないようにしよう」が逆効果になる
抑え込みではなく、**「気になった後の戻り方」**を覚えるのが正解です。
すぐ使える「その場で戻る」ミニ技術
呼吸で戻る(10秒)
吐く方を長く(吸う4秒・吐く5秒)すると、自律神経が落ち着きます。
視線で戻る(5秒)
一度、視線を机の角などに落とす。**「情報を減らす」**のは敏感な人にとって有効なケアです。
問いで戻る(3秒)
心の中で**「今、僕は何を感じてる?」**と自分に質問してください。
最後に:敏感さは、あなたを壊すためのものじゃない
人の痛みにも気づけるあなたの力は、これからは「他人の機嫌を当てるため」ではなく、**あなた自身を癒やして守るため**に使っていいんです。
顔色を伺う癖は、必ず変えられます。気になってもいい。でも、あなたの本音に戻ってこれる回数を増やす。その積み重ねが、自分軸を取り戻す道になります。
よくある質問
相手の顔色が気になるのはメンタルが弱いからですか?
弱さではなく**「守る力」**が強い状態です。過去の環境で安全を確保するために身につけた能力なので、責めずに「反応パターン」として理解していきましょう。
上司の顔色が気になって発言が怖いです。
いきなり強くなる必要はありません。「今日は1回だけ質問する」など**小さな目標**を立て、反省会は10分で切り上げるなど、自分を追い込まない仕組みを作ります。
断るコツはありますか?
断るより先に**「保留」**を練習しましょう。「一度確認します」というワンクッションで、相手のペースに飲まれない時間を作ります。
自分軸って何ですか?
**「相手の期待より、自分の感情や基準を優先して選び直せる力」**のことです。小さな基準を1つ持つだけでも自分軸の柱は立ち始めます。








