相手の中に「自分の欠片」を見つけた時・・・

生きづらさを手放す心理カウンセラーの松野です。
いつもありがとうございます。

今日は「他人を通して自分を知る」という、
ちょっと奥深いテーマをお話しさせてください。

あなた自身と向き合うチャンスかもしれません

タイトルにもある通り、
「相手の中に、自分の“欠片”を見つけた時」
あなたは何を感じるでしょうか?

苛立ちますか?嫌悪感を覚えますか?
それとも、不思議と親近感を覚えますか?

実は、この感情こそが、「自分自身と向き合う入口」なんです。
なぜ“他人の言動”に、こんなにも反応してしまうのか?

たとえば、こんなことありませんか?

すぐ感情的になる人にイライラする
何を考えてるかわからない人に不安になる
自己主張の強い人を苦手だと感じる
人に甘えたり頼る人に、うっすら嫌悪感がある

だけど、よくよく考えてみると・・・
それって、どこか“自分の一部”でもあったりしませんか?

心理学ではこれを「投影(プロジェクション)」と呼びます。

僕たちは、見たくない自分・受け入れられなかった自分を、
無意識に他人の中に映し出していることがあるんです。
たとえばこんな例があります

昔、僕のクライアントさんで、
「とにかくマイペースな人が大嫌い」という方がいました。

その方はとても真面目で、責任感が強く、
常に空気を読みながら、相手のペースに合わせて動くタイプでした。

でも話を掘り下げていくと、こんな本音が出てきました。

「本当は私だって、マイペースに生きたい」
「でも、それをやると誰かに迷惑がかかる気がして…」

“本当の自分”を我慢してきたからこそ、
その自由に振る舞う他人に反応していたんです。

このことに気づいたとき、
涙を流しながらこう言われました。

「あの人を責めたかったんじゃなくて、
本当は“羨ましかった”んですね…」

「嫌いなあの人」ほど、
自分の本音を映し出している

他人の言動に強く反応するということは、
そこに「心の揺れ」があるということ。

心が反応するということは、
あなたの中に“何か大事なもの”が
眠っている可能性が高いんです。

ずっと我慢してきた想い
本当はこうしたかったという欲求
過去に否定されたトラウマ

それらが、相手という“鏡”を通して
表れているだけなんです。

逆に「なぜか気になる」「妙に惹かれる」も
あなたの“欠片”の1つです。

ここまで読んで、「苦手な人」にばかり
反応している気がした方も多いかもしれません。

でも実は、逆のパターンもあります。

なんとなく惹かれる人
なぜか安心感を覚える人
初対面なのに、懐かしい感じがする人

こういう人に出会った時も、
実は自分の中にある“眠っている資質”が
反応していることがあります。

たとえば、「自分にない」と思っていた勇気や自由さ、
行動力や包容力、ユーモアや明るさなど。

それらを持っている人に惹かれるのは、
あなたの中にもその“欠片”がちゃんとあるからです。
まだ眠っているだけで発揮されていないだけ。

だから、「あんな風になりたいな」
「素敵だな」と感じる人も、
あなたの“可能性”を映す鏡なんですね。

投影に気づくことは、自己否定を減らす第一歩

ここで大事なのは──
反応してしまう自分を責めないこと。

人にイラッとしたり、モヤモヤしたり、嫉妬したり。
そんな自分を「器が小さい」「心が狭い」と責めるのではなく、

「私は今、何か自分のことを教えてもらっているんだな」
と捉えるだけで、心は少しずつ軽くなっていきます。

「私はまだ本当の気持ちに気づいていなかっただけなんだ」
「自分にも、こんな一面があったんだ」

そうやって、自分に優しいまなざしを向けられるようになると、
相手に対する見え方もガラリと変わってくるから不思議です。

相手を通して自分を“癒す”

僕自身、過去に「なぜか苦手なタイプの人」が何人もいました。

調子の良い人

自分勝手な人

感情的に振る舞う人

でも振り返ってみれば、そのすべてが
「自分が否定していた自分そのもの」でした。

自分も調子良くやりたかった

自分も好きに生きたかった

自分も泣きたかったし、怒りたかった

だけど、それを「ダメなこと」と思い込んで生きてきた。

だからこそ、その自由さや素直さを体現している
他人が許せなかったんです。

でもね、気づけた瞬間、
少しだけ自分に優しくなれるようになりました。

そしてその優しさは、
誰かを許す力にもつながっていきました。

自分の“欠片”に気づける人はやさしくなれる

私たちは、無意識のうちに、
自分の感情を相手に映し出しています。

だからこそ、反応の中にこそヒントがある。

「なぜこんなに腹が立つのか?」

「なぜあの人が気になってしまうのか?」

「なぜ許せないのか? なぜ羨ましいのか?」

それらの問いに向き合っていくことが、
自分を理解し、癒していく道につながっていきます。

PS:だからこそ、「嫌い」も「羨ましい」も大切な感情です

あなたが誰かに反応したとき。
それはただのストレスではなく、

「あなたの本音に気づいて」という心からのメッセージかもしれません。

相手を見ているようで、実は自分を見ていた。
そんな体験こそ、自己理解の本当の入口です。

だから今日、誰かにイラッとしたら、
少しだけ自分に問いかけてみてくださいね。

「私は何に反応しているの?」
「そこには、どんな気持ちがあるの?」

きっとそこに、小さな“あなた自身の欠片”が見つかるはずです。