トラウマと複雑性PTSDは違うものだよ。

トラウマと複雑性PTSDはどちらも心理的な状態であり、
大きなストレスやトラウマ体験によって引き起こされます。
しかし、両者には異なる特徴があります。

以下、プロのカウンセラー目線でトラウマと
複雑性PTSDの違いについて具体的に説明します。

掘り起こすとアダルトチルドレンが絡むことも
かなり多いです。それも踏まえてお伝えします。

トラウマとは、個人が体験した出来事が、彼らの生命や身体の安全、尊厳を脅かすような、極度に恐ろしい出来事のことです。例えば、暴力、災害、事故、虐待、戦争、強姦などが挙げられます。トラウマ体験をした人は、恐怖、不安、パニック、怒り、うつ病などの症状を経験することがあります。トラウマは、人生の中で一度だけ起こることが多いですが、場合によっては、連続したトラウマ体験がある場合もあります。

一方、複雑性PTSDとは、長期間にわたる暴力、虐待、性的虐待、心理的虐待などによって引き起こされる、慢性的なトラウマ状態です。複雑性PTSDの人は、精神的、感情的、身体的な症状を経験することがあります。自己否定的な考え、恐怖、パニック、情動の不安定さ、自己イメージの混乱、集中力の低下などが挙げられます。複雑性PTSDの場合、短期的なトラウマ体験よりも、長期的な虐待や侮辱による影響がより深刻です。

複雑性PTSDの症状は、PTSDと呼ばれる症状とは異なります。PTSDの症状は、以下の3つに分類されます。

再体験症状:過去のトラウマ体験を思い出し、フラッシュバックや嫌な夢を見ることがあります。

回避症状:過去のトラウマ体験を思い出すことを回避し、感情を抑制することがあります。

過覚醒症状:常に警戒心が高まっており、眠れない、ストレスが高まっている状態が続きます。

一方、複雑性PTSDの症状は、以下のように分類されます。

感情調整の問題:怒りや悲しみなどの感情をコントロールすることができず、怒りっぽくなったり、感情が急変することがあります。

対人関係の問題:人と関わることが難しくなり、人間関係が不安定になったり、孤立してしまうことがあります。

自己認知の問題:自分自身の価値観や人生観に疑問を持ち、自分自身を否定してしまうことがあります。

身体的症状:身体的な症状が出現することがあります。例えば、不眠、頭痛、疲労感、慢性的な痛みなどが挙げられます。

トラウマと複雑性PTSDの治療方法も異なります。トラウマに対しては、認知行動療法やEMDR(眼球運動による脱感作と再処理)、心理療法などが効果的です。これらの治療方法は、トラウマを引き起こす出来事に対処することによって、トラウマを克服することを目的としています。

一方、複雑性PTSDに対しては、内的な安全感を高めることが重要です。認知行動療法や心理療法の他、身体を中心とした治療法や、瞑想、ヨガ、マインドフルネスなどが効果的です。これらの治療方法は、身体的な感覚を使って、複雑性PTSDを改善することを目的としています。

以上、トラウマと複雑性PTSDの違いについて、プロのカウンセラー目線で説明してきました。どちらの状態も、専門的な治療と時間が必要ですが、適切な治療を受けることで、回復することができます。