下手から入る心癖

生きづらさを手放す心理カウンセラーの松野です。
いつもありがとうございます。

今日は下手に出てしまう癖がある方からのご相談を
少し切り口を変えてシェアしたいと思います。

「ごめんね、ちょっとだけいいかな…」
「全然大丈夫だよ、私がやるから」
「私なんかでよければ…」

こうした言葉が口ぐせになっている方、
もしかすると無意識に・・・

「下から入り込む癖」があるかもしれません。

一見すると謙虚で優しいように見えるこの姿勢。
しかし、その裏には・・・

嫌われたくないという強い不安

関係を壊したくないという恐れ

自分の要求を直接伝えることへの
抵抗感が隠れていることが多いのです。

さらに深く見ていくと、こうした態度が
相手を無意識に“コントロール”しようとする
対人パターンであることもあります。

この傾向はアダルトチルドレン(AC)という視点から、
「下から入り込んでしまう性格」と凄く似てまして

そこから抜け出して“自分らしい対人関係”を築く
ヒントをお伝えできたらと思います。

下手になってしまうのはなぜ?

「下から入り込む」姿勢は対人関係において、
自分を低く見せることで、相手との心理的な距離を
うまく縮めようとする行動パターンです。

断られにくいように最初から下手に出る

できない自分を演出して相手に助けを求める

感情的に相手を巻き込むことで繋がりを得ようとする

これらは、必ずしも“意図的な操作”ではなく、
幼い頃に身につけた「生き抜くための術」であることが
実はほとんどです。

これってアダルトチルドレン(AC)?

はい、「下から入り込んでしまう心癖」は、
アダルトチルドレンの特徴の1つとされています。

例えば、子ども時代に親の機嫌をうかがって育った
自分の意見を言うと否定され続けたり怒られた経験がある
いつもいい子でいないと愛されないと感じていたなど

少なくともこういう経験が積み重なると・・・
「直接的なコミュニケーションでは愛されない」
という思い込みが育ち、下から相手の懐に入ることでしか
人とつながれないという信念を持ちやすくなります。

その結果、自分の本音を言えず我慢する
相手に気を使いすぎて疲れてしまう

自己犠牲を繰り返して頑張っているのに
なんか自分の心が報われないと感じるという
“生きづらさ”に繋がっていくのです。

なぜ「下手」から入ることでコントロールしようとするのか?

意外に思われるかもしれませんが、
「下から入る」ことも一種のコントロールです。

たとえば…

被害者ポジションをとって「かわいそうな私」を
演じていくことで相手の同情を引こうとする

常に「いい人」を演じていくことで
相手に罪悪感を与えようとする

「こんなに我慢してるのに・・・」と、
相手に来たいと見返りを強く求めていく

こうした行動の奥には、
「こうすれば相手が動いてくれるはず」
「これなら関係を壊さずに済むはず」という、
無意識の期待や願望があります。

ただ、このような方は、
自分の行動が“コントロール”だとは
思っていないことが多いです。

自分らしさを大切にしながら関係性を築くには?

①「私はどうしたいの?」と自分に問いかけてみる

他人の気持ちや反応ばかりを気にして生きてきた方は、
「自分はどうしたいのか?」という感覚を持ちにくいものです。

まずは、意識を自分の内側へもっていく為に

今、何を感じている?

本当はどうしてほしかった?

私は今をどう思っている?

と、自分の心の声に傾ける習慣を
日頃から作ってあげることが大切です。

② 小さな「本音」を伝える練習

いきなり本音をぶつけるのは怖いもの。
本音を外に放つ必要はありません。

あなた自身が心の本音に気づき
それが分かっておけばいいのです。

外に本音を伝えたい場合は少しずつ

「今日は○○が食べたいな~」
「ちょっと疲れてるから無理せずにいたい」
といった、日常の中の小さな希望や感情を伝える
練習からはじめてみてください。

それが、対等な関係への第一歩になります。

③ コントロールしなくても、
つながりは築けると知る

相手に合わせすぎたり、
気を遣いすぎたりしなくても、

“あなたがそのままの姿でいること”こそが、
人との関係を育てていく土台になります。

対等でいたいと思ってくれる人も多いです。
そんなに謝らなくても大丈夫と言われたことありませんか?

小さなことをずっと引きずって謝り続けているのに
人が離れていったことはありませんか?

それは対等でいたいのにという相手からのサインです。

過去の記憶と影響から下手から入る心癖を
手放すのは怖いことかもしれません。

でもそれは、あなたが自分を信じる勇気を
持ち始めた証でもあります。

まとめ:自分を落とさなくても人と繋がれる

「下手」になるということは、
あなたを守ってきた大切な術だったかもしれません。

でも今はもう、自分を小さくすることでしか
人とつながれない世界から卒業してもいいのです。

あなたが「自分の本音」を大切にし、
「対等な関係」を築こうとすることは、
自分を大切にするということ。

そのままのあなたで、ちゃんと愛されていい。

少しずつ、安心できる人とのつながりを育てながら、
あなた自身の力で“自分らしい人生”を取り戻していきましょう。

あなたには、それができる力が
既にちゃんと備わっていますからね。