愛着障害とアダルトチルドレンは異なる概念です。
愛着障害とは、幼児期に保護者との安定した
愛着関係を築けなかったことが原因で、
成長しても対人関係や感情調整に
困難を抱える状態を指します。
一方、アダルトチルドレンは、
子どもの頃に家庭環境が問題があったり、
虐待や放置などの経験をした人が、
その影響を大人になっても引きずり、
社会生活に支障をきたす状態を指します。
愛着障害は、アダルトチルドレンにも
見られる場合がありますが、
必ずしもアダルトチルドレンが
愛着障害を持っているわけではありません。
ただ、日本においては愛着障害とアダルトチルドレンは
密接に関連しているとされています。
愛着障害は幼少期に親との関係に問題があったことで、
安心感や信頼感を持てないという状態を指します。
一方、アダルトチルドレンは、幼少期に愛着が
形成されなかったことによって、
社会性や自尊心に問題を抱えることが多いとされています。
愛着障害やアダルトチルドレンの症状は、
幼少期に受けた心理的なトラウマや
傷が原因で発生することが多く、
日本においてはこれらの症状を
抱える人が比較的多いとされています。
【愛着障害とには種類があることをご存知ですか？】
愛着障害には、不安型愛着スタイル、回避型愛着スタイル、
無秩序型愛着スタイル、混合型愛着スタイルの4つのタイプがあります。
これらのタイプは、幼少期に保護者との
関係性が形成される過程で、
愛着関係に対する安定性や安心感が形成されず、
それが成人後の人間関係や感情に影響を与えることが考えられます。
【1. 不安型愛着スタイル】
不安型愛着スタイルとは、幼少期に保護者との関係性に不安定さがあり、愛着関係に対する不安や恐怖心が強く残り、他人との関係に対しても過度に不安を感じるタイプです。
【特徴】
不安型愛着スタイルの特徴として、以下のようなものが挙げられます。
・自己肯定感が低い
・対人関係に対して不安定な面がある
・相手を信頼しにくい
・相手との距離を遠ざけることが多い
・愛されることに対して過度に期待する
・独りでいることを避ける
・依存的な関係性を築きやすい
【具体例】
不安型愛着スタイルの具体例として、以下のようなものが挙げられます。
・不安定な恋愛関係
例えば、相手が少しでも距離を置くと、不安になってしつこく連絡をするようになる。
・友人関係が疎遠になる
例えば、相手との関係が続かないと自己評価が低くなり、新しい人との出会いに消極的になってしまう。
・仕事においてストレスを感じる
例えば、上司や同僚から指摘を受けると、自己評価が低くなって不安になり、仕事に集中できなくなる。
２、回避型愛着スタイル
特徴
回避型愛着スタイルの人は、保護者からの愛着を受け取れず、孤独な状態を経験し、感情表現が苦手な傾向があります。他人との距離を置いて生活することが多く、自己防衛のために心を閉ざしてしまうことがあります。
具体例
・恋人に対して、距離を置きがちで、自分から積極的にアプローチしない
・自分の感情を抑え、人前では感情を表に出さない
・他人の期待に応えることを避け、自分の意見や感情を伝えることが苦手
【3. 無秩序型愛着スタイル】
無秩序型愛着スタイルとは、保護者との間に、時には温かい愛情を示し、時には不適切な愛情表現を行うなど、予測不可能で不安定な環境で育ったことが原因で形成される愛着スタイルです。
【特徴】
・不安定な状況に対して、不安や不安定感を強く感じる。
・恋愛関係においては、相手との距離感が常に変わってしまい、相手に対する信頼が得られない。
・自己肯定感に欠け、自分自身の価値を評価することが難しい。
【具体例】
・自分自身に対して「何が好きか分からない」と感じることがある。
・恋愛関係において、相手に対して「突然嫌いになるかもしれない」と不安を感じることがある。
・人間関係において、相手との距離感が常に変わってしまうため、不安や混乱を感じることがある。
【4. 混合型愛着スタイル】
混合型愛着スタイルとは、１つの愛着スタイルに固執せず、状況や相手によって愛着スタイルを変える傾向が見られる愛着スタイルです。
【特徴】
・相手によって愛着スタイルが変わるため、予測が難しいとされる。
・愛着スタイルを変えることで、状況に適した愛着行動を行うことができるとされる。
【具体例】
・恋愛関係において、相手によって愛情表現が変わることがある。
・人間関係において、相手との距離感が変わることがある。
・幼少期に複数の愛着スタイルを経験し、混合型愛着スタイルが形成されることがある。
【総論】
日本人に多い愛着スタイルは、不安型愛着スタイルであるとされています。これは、日本の文化的背景が、依存関係や集団の中での調和を重視する傾向があるため、そのような環境下で育った人々が多いことが原因とされています。しかし、愛着スタイルには個人差があり、また、人生の経験によっても変化する可能性もあります。
