生きづらさを手放す心理カウンセラーの松野です。

「でもだってだから」という言葉が気になっている方の中には、会話の中でよく出てくる言い回しとしてモヤモヤしていたり、自分自身がつい使ってしまって苦しくなっていたりする方もいるかもしれません。
まず知っておいてほしいのは、「でもだってだから」には、単なる言い訳では片づけられない背景があるということです。意味を整理しながら、なぜそうなりやすいのか、しんどさとどう向き合えばいいのかを、わかりやすくお話ししていきます。
まず意味を整理する
最初に、「でもだってだから」が何を指すのかを見ていきましょう。
「でもだってだから」とは何か
「でもだってだから」とは、会話の中で反論・言い訳・正当化が続いてしまう状態を表す言葉として使われることがあります。
たとえば、相手から何か助言を受けたときに、「でも…」「だって…」「だから…」と返してしまい、話が前に進みにくくなることがあるんですよね。
この表現は、誰かを軽くからかうように使われることもありますが、本質的には自分を守ろうとする反応として出ている場合が少なくありません。
単なる口ぐせではなく、コミュニケーションのパターンでもある
「でもだってだから」は、ただの口ぐせとして出ることもあります。
ただ、それだけではなく、気持ちのクセや人との関わり方のパターンとして定着していることもあるんです。本人は否定したいわけではなくても、無意識に防御的な受け答えになってしまうんです。

よく見られる特徴
- アドバイスを受けると、先に難しい理由が浮かぶ
- 責められたように感じて、すぐ説明したくなる
- 失敗や否定を避けたくて、慎重になりすぎる
- 会話のあとに「また言い訳っぽくなってしまった」と落ち込む
- 相手との温度差にしんどさを感じやすい
もし思い当たることがあっても、必要以上に自分を責めなくて大丈夫です。そうなってしまうのには、ちゃんと背景があります。
背景や原因として考えられること
ここでは、「でもだってだから」が出やすくなる背景を整理します。
否定されたくない気持ちが強く働いている
人は、否定されたり、わかってもらえなかったりすると、とてもつらいものです。
そのため、相手の言葉を聞いた瞬間に「違うんです」「そう簡単じゃないんです」と返したくなることがあります。これは、わがままというより、自分の事情や気持ちを守ろうとする自然な反応なんですよね。
過去に責められたり、理解されなかった経験がある
僕は、こうした反応には過去の体験が関係していることが多いと思っています。
たとえば、子どものころから気持ちを最後まで聞いてもらえなかった方や、すぐに「言い訳するな」と言われてきた方は、先回りして自分を守る話し方を身につけやすいんです。
本当は落ち着いて話したいのに、心の中では「ちゃんと説明しないと危ない」と感じてしまうことがあります。
自信のなさや不安の強さが影響していることもある
自分に自信が持てないと、アドバイスや意見を受けたときに、「できないかもしれない」「また失敗するかもしれない」と不安が先に立ちます。
すると、「でも無理です」「だって状況が…」という形で言葉が出やすくなるんです。これは怠けではなく、失敗への怖さが関わっていることもあります。

考えすぎる性格や真面目さが出ている場合もある
意外に思われるかもしれませんが、「でもだってだから」が多い方は、いい加減というよりとても真面目で、慎重で、考える力が強いことがあります。
相手の提案に対して、問題点や現実的な難しさがすぐ見えてしまうんです。だからこそ、前向きな一歩より先に、できない理由が浮かびやすいという見方もできるんです。
よくある悩みと誤解
ここを誤解しないでほしいんです。表面だけ見て判断すると、しんどさを深めてしまいます。
「言い訳ばかりの人」と決めつけられてしまう
「でもだってだから」が多いと、周囲からは「否定ばかりする人」「素直じゃない人」と見られることがあります。
もちろん、会話がかみ合いにくくなる場面はあります。でも、本人の内側では、わかってほしい気持ちと、傷つきたくない気持ちが同時に動いていることも多いんです。
ただ反発しているのではなく、不安や緊張が言葉の形になっている場合もあります。
自分でも「またやってしまった」と苦しくなる
つい反論っぽく返したあとで、「素直に受け取れない自分はダメだ」と落ち込む方は少なくありません。
でも、本当はそこに大事なサインが隠れていることがあります。たとえば、安心して話せていない、評価されることに敏感になっている、気持ちがいっぱいいっぱいになっている、ということです。
行動だけを責めるのではなく、なぜそうなるのかを見ることが大切です。

すぐに直さなければいけないと思い込む
「でもだってだから」をなくそうとして、無理に黙り込んだり、何でも「はい」と言おうとしたりする方もいます。
けれど、無理に変えようとしなくても大丈夫です。大切なのは、反応をゼロにすることではなく、自分の気持ちに気づきながら少しずつ整えることなんです。
向き合い方のヒント
ここからは、しんどさを和らげるための実践的なヒントをお伝えします。
まずは「反論」ではなく「防御」かもしれないと知る
自分が「でも」「だって」と返したくなったとき、まず心の中で「いま僕は自分を守ろうとしているのかもしれない」と見てみてください。
それだけでも、自己嫌悪が少しやわらぐことがあります。反応の正体がわかると、必要以上に自分を責めずにすむんです。
ワンクッション置いてから言葉にする
すぐに説明したくなったときは、いったん短く受け止める言葉を入れるのがおすすめです。
- 「そういう見方もありますね」
- 「言っていることはわかります」
- 「少し考えてみます」
そのうえで、自分の事情を話すと、会話の空気がやわらぎやすくなります。これは我慢ではなく、伝わりやすい順番に整える工夫です。
本音を「理由」ではなく「気持ち」で伝えてみる
「だって無理です」と言う代わりに、気持ちを主語にしてみるのもひとつです。
- 「失敗するのが少し怖いです」
- 「急に言われると焦ってしまいます」
- 「まだ自信が持てなくて迷っています」
こうした伝え方は、相手にとっても受け取りやすいんですよね。説明や正当化ではなく、今の心の状態を共有することにつながるからです。
安心して話せる相手との関係を増やす
いつも防御的になってしまう方は、安心感の少ない環境に長くいた可能性もあります。

だからこそ、否定せずに話を聞いてくれる人、結論を急がずに受け止めてくれる人との関わりはとても大事です。落ち着いて話せる経験が増えると、少しずつ会話のパターンも変わっていきます。
ひとりで苦しいときは相談していい
もし、「でもだってだから」が原因で人間関係がつらい、自分を強く責めてしまう、会話そのものが怖いという状態なら、カウンセリングなどで整理するのもひとつの方法です。
相談先では、表面的な話し方だけでなく、その背景にある不安や傷つきやすさを一緒に見ていくことができます。
少しずつでいいんです。安心できる対話の積み重ねが、変化の土台になります。
よくある質問
「でもだってだから」は性格の問題ですか?
性格だけで決まるものではありません。不安の強さ、過去の経験、会話の環境などが重なって出ていることがあります。自分の欠点と決めつけすぎないことが大切です。
「でも」「だって」を言わないようにすれば改善しますか?
言葉だけを無理に抑えると、かえって苦しくなることがあります。大切なのは、なぜその言葉が出るのかを理解し、安心して気持ちを伝えられる形に少しずつ変えていくことです。
周りに「言い訳するな」と言われてつらいです
それはしんどいですよね。まず知っておいてほしいのは、あなたがおかしいわけではないということです。説明したくなる背景があるかもしれません。責められるほど、防御的になりやすいこともあります。安心できる相手に気持ちを話してみるのも大切です。

自分ではなく、家族や職場の人が「でもだってだから」ばかりです。どう接すればいいですか?
正そうと急ぐより、まず相手が何を守ろうとしているのかを見ることが役立つ場合があります。頭ごなしに否定せず、気持ちを確認しながら話すと、やり取りが落ち着くことがあります。ただし、あなたばかりが我慢し続ける必要はありません。距離感を整えることも大切です。
まとめ
「でもだってだから」とは、反論や言い訳のように見える言葉の並びですが、その背景には否定されたくない気持ち、不安、自信のなさ、過去の経験などが隠れていることがあります。
だからこそ、単純に「直すべき悪いクセ」と決めつけないほうがいいんです。僕は、そこにはその人なりの必死さや、防御の仕方が表れていると思っています。
もしあなたがこの言葉にしんどさを感じているなら、まずは意味と背景を整理することから始めてみてください。そして、反応を責めるのではなく、気持ちを少しずつ言葉にしていくことが大切です。
無理に変えようとしなくても大丈夫です。少しずつ、自分にとって安心できるコミュニケーションを育てていけばいいんです。




